前回に引き続き、「雨漏り」についてです。
雨の多い季節、雨漏りの問い合わせが多くさまざまな現場に行く機会があります。
現場調査へお伺いするとまず、お客様から指摘される箇所(多くは天井、壁など室内)を見ます。
その後必ずカメラを持って屋根の上、樋、屋根裏、外壁を見ます。
だいたい屋根裏を見れば原因はわかります。
しかし、屋根裏にも雨水が入り込んだ跡がないのに、天井や壁にシミがある場合があります。
ある現場で「壁の色が変色して見栄えが悪いし、雨漏りするので見て欲しい」という問い合わせがありお伺いしました。
壁はひびが入り、日当りの悪い一面が確かにコケだらけでした。
さらに気になったのは、庇と壁の接続部分が異常に変色していたのです。
ベランダ部分も外側が浮き上がって、まさしく雨水を含んで膨張し浮き
上がったとしか考えられない状態でした。
雨は壁に当たると壁をつたって下に落ち、庇をつたって樋に落ちます。
壁と庇の接続部分の施工不良により、雨水が壁の中に入り込んでしまい
木部に浸透して雨漏りしていると診断いたしました。
接続部分は板金屋のお仕事、専門用語で「雨仕舞い」と言います。
「雨仕舞い」に必要なものが「水切り」です まさしく水を切るための部品。
これがなくては良い家が建ちません!
私たちが加工し取り付ける「水切り」とは、一般住宅で指定がない限り厚さ0.35mmのカラー鉄板を使用します。
例えば壁と庇の雨仕舞いには ・ 壁を施工する前に取り付ける場合 ・ 庇そのものの立ち上げ部分を水切りとする場合 など、いろいろですが雨水の流れを考えて隙間に入り込まないように取り付け、シリコン材を必ず必要な場所に注入します。
水の習性を十分に理解していないと、間違った施工をして雨漏りの原因をつくってしまうことになるのです。
【↓水切り設置の画像】
【↓水きり設置前の画像は、今月の相談ページでどうぞ!】
http://www.reformclub.co.jp/before-after/soudan/soudan005.htm
ベランダ部分はおそらく笠木(ベタンダの縁にかぶせてある部品)のところから雨水が侵入してしまい、下地の部分が膨張して モルタルが剥がれてしまったようです。
【↓笠木の説明画像】
このような場合は塗装では雨水は防げませんので、張替えをおすすめします。
次回は『見た目ではわからない雨漏り 第2弾』です。