

この「雨漏り検査白書」は、開発者である谷村和明氏が、協会に加盟している全国の業者から提出される報告書を元に毎年の統計として雨漏り点検の日である6月11日の時期に公開されるものです。
今回は平成18年の雨漏り検査白書をご覧いただきたいと思います。

建物種別での統計では小規模住宅の事故が圧倒的に多く見られます。
その他の建築物では、建築士の監理や、建築会社の意識や・専門技術力の差が出て来ている様に感じられます。
公共建築の場合は、デザインの関係で取り合い部分の無理な収め方が原因の場合が多く見られました。

全体の建築件数で木造住宅が多いため比率的には当然結果と思われます。
木造住宅の場合は木材の乾燥収縮で接合部の剛性が低下し、壁倍率が変化するためモーメントが発生しやすくなるのが、原因の一つと考えられています。
モーメントの発生が無ければ家が揺れたり、きしんだりしない為、雨漏り事故の発生は極端に少なくなるようです。
木造3階建てについては、構造上揺れやすいため十分配慮して下さい。 特に、耐力壁等の剛性を維持できるように設計して下さい。

依頼者別統計では、一般客の直接依頼が10年前よりかなり減少しています。
瑕疵保証制度が一般に普及し施工会社が保証期間の保証のための、検査依頼が逆に増えています。
司法関係では、裁判の鑑定検査依頼が増えています。
第三者機関としての全国雨漏検査協会の活動に期待を寄せられています。
不動産関係では、引渡し前の雨漏り検査で、検査済み書を添付して、販売していると報告を受けています。
益々中古物件販売の瑕疵責任の関係で依頼が増えて来る事と思われます。
事故を未然に防ぐためにも必要とされ期待されています。

雨漏り事故の発生事故を見ると保証期間の10年以内に起こる事故が全体の83%を占め、瑕疵保証制度の充実が大事である事が見て取れます。
特に3年以内の事故が飛びぬけて多く発生しています。
引渡し後3年間で起こる変化(建築環境の変化)の研究分析(3年以降は事故が極端に減少する)が大事です。
| ワースト1位 >> | サッシ廻り |
| ワースト2位 >> | 外壁 |
| ワースト3位 >> | 屋根や屋上(トップライトも含む) |
| その他 >> | バルコニーやパラペットの笠木など・・・ |
| ◆ | サッシ回りの防水テープや防水紙などの施工不備。 | |
| ◆ | 下地や仕上げの施工不良。 | |
| ◆ | 入隅部や狭部の施工不良。 | |
| ◆ | 納まりや取合いの知識不足。 | |
| ◆ | 構造クラック等。 | |
| ◆ | 仕上材やシーリングの老化などによるもの。 と、なります。 |
昨年は幸いに台風などの直接的な被害がない年となり、全体的には雨漏り検査依頼が減少傾向になりました。
雨漏り原因を初期に確定し、修理をする建築会社はまだいいのですが、 瑕疵に対しての対応のまずさから裁判となることが多くあります。
本部に寄せられた裁判の鑑定について、1件は老人保健施設(延べ床面積4,973u)で雨漏り箇所が165箇所、もう1件は診療所〈述べ床面積817u〉でした。
会員店のご協力を頂き検査をしましたが、検査の結果、原因は設計ミス3割、施工ミスが7割の状態です。
担当弁護士より、個人住宅などの小規模建築物においての裁判鑑定を気軽に全国雨漏検査協会に依頼できるよう、統一書式で講習、指導が出来ないかとの希望を受けました。
欠陥住宅の裁判案件が増加するにつれ、第三者機関としての我々の活動に期待が高まっています。
雨漏りを巡る紛争は多々おきており、(財)住宅保証機構をはじめとして他の住宅保証会社からの検査依頼も増加しています。これらの検査をするにあたり、益々の検査技術、検査報告書の質の高さを向上するよう努力していきたいと考えています。
ご覧いただきましたものが、協会から発行された「雨漏り検査白書」の内容です。
谷村氏がご自分で作成されている「全国雨漏検査協会」のページには平成17年度の雨漏り検査白書が公開されております。
こちらから別ウィンドウで開きます>>(http://www.aikis.or.jp/~house-dr/hakusyo.htmへリンク)
私どもの経験からビル・テナントの建物の中にも、雨漏りでお困りのところが多いため、この検査が効果を発する鉄骨・鉄筋コンクリートの建物も増えていくと思われます。